「午」という漢字は、かんむりは地表を、下の横棒は陽気を、縦棒は陰気が下から突き上げてくる様子を表す象形文字です。漢字の「杵(きね)」の由来になったもので、上下に動く杵を描いたものです。方角は南を指します。時間を指すときは、午前12時の前後2時間を示し、昼の12時を正午、その前後を午前、午後といいます。

馬は昔から人と深く関わってきた動物です。馬が最初に家畜化されたのは、今から5千年ほど前の中央アジアといわれています。以来、馬は人や荷物を運んだり農耕を助けたりと様々な場面で大きな役割を果たしてきました。
日本にいつごろやってきたのかははっきり分かっていませんが、縄文・弥生時代にはすでに家畜として利用されていたようです。最古の歌集といわれる万葉集には、約4500首もの中で馬を詠んだ歌が80首近くあり、馬が身近な存在であったことが読み取れます。
馬は縁起の良い動物とされ、なかでも馬という文字を左右逆さまにした「左馬(ひだりうま)」は、古くから招福の象徴とされてきました。馬に左から乗れば倒れないとの言い伝えから、左馬は倒れない象徴とされ、人生を大過なく無事に過ごせるという意味が込められています。また、馬は人が引いていくものですが、逆にした左馬は人を引いてくる千客万来、商売繁盛、開運の縁起ものといわれています。それから、左馬の文字の下の部分が巾着に似ていることから「巾着馬」ともいわれ、口がよく締まって入れたお金が逃げていかない、金運のお守りにも使われます。
神社で馬に関係するものといえば絵馬があります。馬は古来より霊的な動物として考えられ、神の乗り物として篤い信仰の対象であり、祭りに際して神に献上され、伊勢神宮などの有力な神社では神馬(しんめ)として飼われています。また、祭りに限らず呪術的な儀礼としても神馬の献上が行われ、雨を願うときには黒毛の馬が、晴れを願うときには白毛の馬が、中世には戦いの勝利を祈願するために奉納されていました。次第に、生きた馬を献上するのが難しくなってきてからは、板に書いた馬で代用されるようになり、最終的には現在の「絵馬」となりました。

午年は不況になりやすいという指摘もあり、昭和29年には世界恐慌、平成2年にはバブル崩壊がありました。しかし、来年、平成26年には天馬空を行くように、輝かしい吉年になりますことをお祈りします。

午

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