本殿

  • 大山祇命(おおやまづみのみこと) 
  • 天津日高日子番能邇邇芸命(あまつひこひこほのににぎのみこと) 
  • 木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)

ご祭神は山の神である大山祗命一柱でありましたが、平安時代末期に天津日高日子番能邇邇芸命、木花之佐久夜毘売のご夫婦二柱を合祀。現在三柱の神をお祀りしています。
※神さまは「柱」で数えます。

摂社 當麻都比古神社(たいまつひこじんじゃ)

  • 麻呂子皇子
  • 當麻津姫

麻呂子皇子は、第31代用明天皇の皇子で、聖徳太子の異母弟にあたり、當麻氏の先祖とされています。當麻寺を創建したこの地の豪族當麻氏の氏神として、男女二柱をお祀りしています。小ぶりなお社ですが、延喜式神名帳に式内小社と記載され、朝廷から奉納をうけていました。當麻寺の厚い信仰の時期もありましたが、當麻氏の衰退とともに、當麻寺自体も衰退の時代が続きますが、平安朝に入ってから、中将姫信仰でお寺も復活の兆しを得て、今日の當麻寺の姿に繋がっているといえます。

末社 春日若宮神社 

  • 天忍雲根命(あめのおしくもねのみこと)

天孫である天津日高日子番能邇邇芸命が、葦原の中つ国(日本のこと)へ降臨される際に、降臨先に水がなかったので高天原に上り、天真名井(あめのまない)から水を持ってこられた五穀豊穣に欠かせない水の神さまです。平田春日神社の祭神、天児屋根命(あめのこやねのみこと)の御子です。

神々の簡略系譜

神々の系譜

  • 伊耶那岐神と伊耶那美神は、国生み、神生みする初めての夫婦神であり、それぞれ単独で神生みする神でもあります。
斎庭(ゆにわ)の稲穂
  • 天津日高日子番能邇邇芸命(通称:ににぎの命)は、祖母である天照大御神から「斎庭(ゆにわ)の稲穂」を渡されて、これでもって日本の国を治めなさいと命ぜられ、高天原(たかまがはら)から地上へ天降っていかれました。それから3代後に神武天皇になり、歴代の天皇へつながっています。
    昔から現在までずっと、天皇は5月になったら宮中の田んぼで田植えをし、秋になったら刈り取りをします。それは、とれた初穂を天照大神様をお祀りする伊勢に、また宮中の賢所(かしこどころ)に初穂をお供えして、今も天照大御神様から命ぜられた通り、稲でもって日本国を治めておりますとご報告をしているのが、伊勢神宮の10月17日の神嘗祭(かんなめまつり)であり、全国の神社で行われる11月23日の新嘗祭(にいなめまつり)です。それは神話に書かれていることであり、日本の文化は神話とつながっているのです。
天孫降臨
  • 葦原の中つ国(地上の世界)を統治していた大国主命(おおくにぬしのみこと)が国譲りを承諾し、天孫であるににぎの命が天降りました。この天孫降臨は、天皇の即位儀礼である大嘗祭(だいじょうさい)の起源とも言われています。
    天児屋命(あめのこやねのみこと)、布刀玉命(ふとだまのみこと)、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと 八咫鏡の作者)、玉祖命(たまおやのみこと 八尺瓊勾玉の作者)らと一緒に、猿田毘古命(さるたびこのみこと)らの先導を得て、雲をかき分けて、筑紫の日向の高千穂に降り立ちました。やがて、ににぎの命は九州南西の笠沙の岬で、大山祇命の娘、木花之佐久夜毘売と出会って結婚しました。
  • ににぎの命の妻となった木花之佐久夜毘売は、一夜で妊娠したために、ににぎの命から他の国つ神(地上にいる神。天上からきた天つ神と区別される)の子ではないかと疑われます。木花之佐久夜毘売は身の潔白を示すために、天つ神の御子なら火の中で誕生しても死なないはずでしょうと誓約して、産屋に火を放って火中で出産をしました。火の中から生まれてきたのが、火照命(ほでりのみこと)、火須勢理命(ほすせりのみこと)、火遠理命(ほおりのみこと)でありました。その末子の火遠理命の2代後に、初代天皇である神武天皇へとつながっていきます。 国つ神である大山祇命の娘である木花之佐久夜毘売が、天つ神の子を身ごもるということを強調するストーリーです。
    神々の系譜
  • ににぎの命の正式な名称は、「天邇岐志国邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」といいます。「天にきし国にきし」とは、「天地が豊かににぎわうこと」であり、「穂のににぎ」は「稲穂が熟してにぎにぎしく実っている」意味です。このように、稲穂の神としての意味がみられます。
  • 木之佐久夜毘売は、火の中で無事に出産したことから、安産や火難厄除のご神徳があり、ににぎの命とその後平和に暮らしたことから、家庭円満、家内安全の祭神とされます。
  • ににぎの命は、木花之佐久夜毘売と一緒になるときに、父親の大山祇命から、姉の岩長比売も一緒にどうぞといわれましたが、容姿が醜悪なのを好ましく思わず、花のようなきれいな木花之佐久夜毘売だけをめとりました。しかし、大山祇命が両姉妹神をさしあげようとしたのは、天照大御神の孫(天孫)である尊いににぎの命が、サクラの花が満開になるように栄えることが岩のように永遠に変わらないようにと願ったからでありました。この時から、天皇(すめらみこと)たちの寿命も永遠のものではなくなったのです。

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